片麻痺 分廻し歩行が変わればすべてが変わる

当院のブログ記事にお越しいただきありがとうございます。
久しぶりの投稿になりますかね(笑)
今回は、
「片麻痺、分廻し歩行が変わればすべてが変わる」
というタイトルテーマの記事で当院の考え方を述べてみたいと思います。
唐突ですが、健常者にとっても慢性腰痛や肩コリ、膝痛などといった現代病にさいなまれています。
そんな症状で悩まれている方は、マッサージやカイロプラクティック、鍼やお灸といった施療により改善を求めているのでは?
そのような方の症状の改善には意外にも、正しい歩行が密接な関係にあるということをご存じでしたか?
ましてや片麻痺の方の歩き方は、分廻し歩行といって異常歩行に分類されます。
この分廻し歩行を良くすることは、片麻痺の機能回復全般に良い結果をもたらすと言っても過言ではないと考えています。
しかし現在のリハビリにおいては、正しい歩き方というよりも、
- とりあえず歩けるようになれば良い。
- 以前よりも歩行距離が伸びた。
- 前より歩行速度が上がった。
- または今の歩行機能を落とさないように維持していけばよい。
といった風潮が強いように感じます。
分廻し歩行でも歩けるからいいじゃないかとおっしゃる方も大勢いらっしゃると思います。
当然、歩けないよりも歩けた方がいいに決まっています。
分廻し歩行ではない正しい歩行を目指すことで、体への負担の軽減、麻痺の機能回復につながっていくものと考えています。
それでも、ご本人がそれでも良いとおっしゃればそれでもいいと思います。
ここでは、なぜ歩行が良くなると機能が回復するのかを当院の視点から考えを述べてみたいと思います。
目次
片麻痺でなくても歩行は重要です
いわる健常者といわれる私たちでも、現代病といった慢性腰痛や肩コリ、膝痛などで悩まされている方も多い事と思います。
このような方たちも、正しい歩行ができるようになることで肩、腰、膝にかかる負担が軽減していき、症状の改善につながります。
正しい歩行=効率の良い歩行だからです。
特に慢性的な症状に悩まされている方などは一度歩行を見直すことで劇的な変化をもたらすことが多くあるからです。
話は脱線しましたが、片麻痺の方ならなおさらです。
歩行といものは生活の一部です。
歩かない日はないと言っても過言ではありません。
ですから、つね日頃から使う歩行というものは片麻痺の方でも、そうでない方にとっても非常に重要なポイントであるとい事が言えると思います。
片麻痺歩行において、質より量ばかり見ていないか?
片麻痺の方がよく、
「何km歩けるようになった」
「何分継続して歩行できるようになった」
「以前よりも歩行が速くなった」
などと改善を喜ばれている方がたくさんおられます。
量的な物の見方からすれば、これらのことは改善したといえるため良くなったと感じると思います。
しかし、質的な物の見方からしたら、本当に良くなっているのか、正しい歩行が出来ている、または近づいているのかという疑問を私自身、片麻痺の方の歩行状態を見る限り持たざるおえません。
なぜなら、分廻し歩行の状態で量的な距離や時間、歩行速度などが速くなっただけだからです。
分廻し歩行は、リハビリ専門書、医学書には異常歩行や病的歩行に属しています。
すなわち、正しい歩行ではないということです。
それなのに、その異常歩行を続けて量的なものばかりを見て、改善のものさしにしていることが多いといえます。
量的なものも生活していく上で、非常に大事だということはわかります。
でも片麻痺の方にとって本当に大切なことは、
量より質
だと感じています。
スポーツや勉強などを例にしても言える事ですが、いくら誤ったフォームでたくさん練習したり、間違った漢字を何回書いても、正解や正しい結果につながりません。
まずは、正しく覚えて、それから量を行う事で安定した成績などがついてくると思います。
片麻痺の方も、まずは異常歩行である分廻し歩行で歩けるようになっていたとしても、それは正しく歩けるようになったとは言えません。
まずは、質である正しい歩き方を見直すことで将来的に体にかかる負担の軽減につながります。
何故、分廻し歩行ではいけないのか
分廻し歩行とはどのような歩行か?
まずは、分廻し歩行とはどのような歩行なのかを理解する必要があります。
分廻し歩行とは?
脳卒中後遺症による片麻痺の方の特徴的な歩き方です。
片麻痺の影響で下肢が足先まで1本の棒のように伸びた状態で、歩行時に麻痺した側のつま先を持ち上げる足首の背屈動作がうまくできないため、つま先が地面に引っかからないように下肢を体の外側にぶん廻すように前に足を振り出す歩容になります。
分廻し歩行ではいけない理由
- 体にかかる負担が大きい
- 麻痺した組織の再生が望めなくなる
- 再発リスクの増加
1、体にかかる負担が大きい
正しい歩行ができないということは、人体にとって効率の良い歩行ができていないということです。
効率が悪いという事は、健常者が1日に5000歩歩いた場合の体にかかる負担と比べると何倍もの負担がのしかかるということです。
ただでさえ麻痺側をかばって歩いている分廻し歩行ですから、それが何十年と続けば体にかかる負担がいかに大きいか像できると思います。
2、麻痺した組織の再生が望めなくなる
分廻し歩行をしている=麻痺した側の足を使っていない証拠です。
これは良い方の半身を使って動いている状態です。この状態を続けていくことは、脳が麻痺した側は使わないということを学習させているようなものです。
これでは麻痺した側の再生が遠のいていくことは明らかです。
3、再発リスクの増大
分廻し歩行を続けることで痙縮や痛み、シビレなどの症状も改善しにくくなってしまいます。
それどころか筋緊張を強めたり、麻痺側が刺激されないことで、障害された側の脳への血流も少なくなったり、滞りやすくなったりと再発のリスクを高める事になってしまいます。
いかに正しい歩行に近づけるかが重要
正常歩行を専門的に語ると、ものすごい記事の内容になってしまうため、ここでは省略したいと思います。
当院が考える正常歩行とは、
専門的な知識をふまえた上での正常な歩行に近づけた効率の良い歩行と考えています。
正常歩行を目指すことで痙縮や、痛み、シビレといった症状の改善、麻痺した組織の機能回復、再発防止になると考えています。
まとめ
歩き方を変え、いかに正常な歩行に近づけ効率の良い歩行を出来るようさせるかが重要です。
そうすることで、体にかかる負担を減らし麻痺した組織の機能回復をすすめ、再発を防止することにもつながります。
毎日歩く歩数は個人差があるにせよ、寝たきりでない限り歩かない日はないと思います。
当院のクライアント様も歩行が変わるにつれ麻痺した体にも変化が現れてきています。
「歩行が変わればすべてが変わる。」
そんな気がしてなりません。
〜注意~
当院の考え方がすべて正しいとは思っていません。
片麻痺の方が機能回復を目指す上での参考になれば思っています。